新しい電車と古い電車
先月末日に山手線の新型E235系に試乗してみました。
新宿から外回りで品川まで。
制御ソフトの不具合でトラブルが発生したそうですが、自分が乗っている間は素直に走ってくれました。
この電車、量産先行試作車らしく、2,3,5号車と6,8,9号車で搭載機器メーカーが異なっていて、走行音に違いがあります。
前者はJR東日本では比較的珍しい東芝製。後者はお馴染みの三菱製です。
どちらもE233系までと比べて高周波成分の多い硬い音がしました。
全密閉モーターですが、外扇式とあってか冷却ファンの音はわりとしっかり聞こえます。印象的にはE231系の音に近いです。
出力に余裕があるのか、中速域からの加速はE231系を上回っているように感じました。
やはり目につくのは車内広告ですな。
窓上と貫通扉上に広告用のディスプレイが付いているのが特徴です。
窓上では3枚のディスプレイを使って一つの広告を出していました。これも新しい試みですね。
制御にコンピューターをフル活用しており、一見サイドビューはE233系と似てますが中身は別物。数々の新機軸が盛り込まれています。
残念ながら結果的にソレが仇となり、ソフト改修のため運転取り止めになってしまいましたが、じっくりと育ってほしいと思います。
さてその翌日、昼休みに野暮用で池袋まで行ったのですが、なんとこの電車に乗れました。
残り一本となった埼京線の205系。
登場時はまぶしかったこの電車もいまではすっかり絶滅危惧種です。
モーターは初期の外扇形に交換されており、ドスの効いたモーター音を楽しむことができます。
昔ながらの抵抗器と当時最新の電子機器を活用した昭和60年代デビューらしい電車で、抵抗器のスイッチを切り替えるたびにコツンコツンと衝撃のある加速。変調音の無いまろやかな直流モーターの音はいかにも昔の電車の趣です。
国鉄初のステンレスボディーやボルスタレス台車を採用していますが、走行系はわりと癖のない堅実な作りの電車でした。
新宿で平成ヒトケタ生まれのこの電車に今時乗れるというのは、ひそかに幸せことなのかもしれません。
今やすっかり首都圏の主役となったE233系。まだまだ新しいと思っていたらデビューからまもなく10年。いつの間にやらベテランの領域となり、103系に迫る大勢力となりました。
E231系の実績を存分に反映したせいか、比較的デビュー直後からトラブルの少ない電車だった気がします。
「走ルンです」の血を受け継ぎながらも内装は丁寧に作られており乗り心地も申し分なく、デザインもスッキリと纏まっていて新しいながらもお気に入りの電車です。
比較的地味な電車ですが、密かに名車なんじゃないかと思っています。
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